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入院・手術の流れについて

実際の入院・手術をご想像いただくために、避妊手術を例に入院・手術、退院までの流れを解説いたします。なお、入院・手術のご留意事項についてはこちらにまとめていますので、あわせてぜひご覧ください。
※こちらのページでは「入院・手術の流れ」に絞ってご説明いたします。したがいまして、一般的な受診の流れについてはこちらをご覧ください。

診察および手術の詳細解説とご説明
診察および手術の詳細解説とご説明

1.身体検査
体重測、検温、聴診、触診、視診等による身体検査を行います。避妊・去勢手術は若年期での受診が多いのですが、身体の成長にはホルモンの影響を多く受けるので、身体の成長が完了していることを確認してからの手術となります。

2. 手術の説明
手術手順やリスク、手術前に行う検査の内容・目的、入院期間、費用などについて詳細にご説明いたします。

3.手術日の決定
入院日・退院日・検診日・抜糸を行う日など、手術に際しては、飼い主様に何度も病院に足を運んでいただくことになります。飼い主様のご都合を伺いながら、手術日を決定します(スケジュールが確定しない場合などは後日お電話にてご予約いただくこともできます)

4. 手術前日〜当日のご注意事項の説明
全身麻酔下での手術となるため、手術前日の夜から食事・飲水等の制限が発生します。その他、当日に至までの各種のご注意・ご留意いただきたい事項について詳しくご説明いたします。
入院
入院

1. 診察
午前中に来院していただきます。身体状態を確認し、飲食の有無など犬ちゃん・猫ちゃんの近況を伺います。(発情の兆候が認められる場合手術は延期いたします)

2. 手術の前のご説明と手術のご同意
前回の診察時にご説明した手術の内容などで、心配な事や疑問などがあればご遠慮なくご質問ください。獣医師より手術に関しての各種の解説・説明をさせていただきます。その内容にご了解をいただきまして実際に手術に移るわけですが、ご了解いただいた旨の確認として、「入院・手術に関する同意書」にご署名・ご捺印いただきます。なお、この段階で入院および手術費用の一部を内金としてお預かりいたしております。受付にてお支払いください。

3. 入院
手術の時間まで安静に努めます。入院室担当の看護師がお世話いたします。

入院

4. 術前検査:血液一般検査

赤血球・白血球・血小板の数と形態、ヘモグロビン量、蛋白量、黄疸の有無などを調べます。
入院

5. 術前検査:血液生化学検査

一般スクリーニング検査10項目を実施します。血液成分中に含まれる酵素や代謝物質を測定して肝・腎・膵臓などの状態を把握します。
入院

6. 術前検査:血液凝固検査

手術には程度の差こそありますが、出血を伴うため、その際に止血する機能が十分に働くかを調べます。動物医療界において軽視されがちな項目ですが当院では基本として実施しております。

なお、各種検査の際に「留置処置」を行います。留置針というポリウレタン製のチューブ(外筒)を前肢の静脈血管内に留め置くことで静脈内への薬剤経路を確保するための処置です。ここから検査に必要な採血をしたり、点滴・注射を行います。
※なお、留置針やチューブ等は当院では1回限りの使い捨てとなっています。詳しくはこちらをご覧ください。なお、事前の身体検査の所見によって、胸部X線検査や心エコー、心電図などの検査を行う場合もあります。
手術準備
術前検査と並行して手術の準備に入ります。

手術準備

1. 手術室の清掃
無影灯の上部やアーム部分など、手術中の術野に汚染物が混入することの無いよう念入りに清掃します。
手術準備

2. 減菌作業
手術器具・ガーゼ・有窓布・手術着・帽子などの滅菌作業を行います。

下写真)
手術器具を入れるケース。滅菌が行われたか否かは貼り付けられた試験紙を見ることで分かるようになっています。
手術準備

3. 手術に必要な道具のセット
気管チューブやメス、マスク、手袋、縫合針、糸のセットなど滅菌済の材料、点滴・注射薬など、手術に必要な道具を準備し、決められた位置にセットします。
手術準備

4. 麻酔機の点検
酸素・笑気ガスの点検、吸入麻酔液の補充などもあわせて行います。

写真解説:
ドイツ・ドレーゲル社の人医療用麻酔機。世界トップクラスの信頼性を誇ります。詳しくはこちらからご覧ください。
手術前処置
手術前処置
入院室から処置室へ移動し、麻酔前投与・静脈麻酔(いずれも注射)を行います。これらの処置は鎮静・鎮痛の効果があり、自然の眠りに近い状態になるため、犬ちゃん・猫ちゃんが痛い思いや怖い思いをすることなく、全身麻酔処置・手術へ移行できます。この後、気管挿管を行い、気管チューブと麻酔機に連結し、気化した麻酔薬(イソフルランまたはセボフルランを使用)と酸素・笑気ガスの混合ガスを肺へ持続的・安定的に送り続けます。またバイタルサイン(血圧・心拍数・呼吸数・体温)の確認や心電図の電極、SpO2測定(血中酸素飽和度:血液中にどの程度の酸素が流れているかを計ります)のプロープなどを装着し、全身麻酔下における身体状態をモニタリングします。続けて、手術で切開する部分とその周辺の毛を剃り、消毒し、この後手術室へ移動し、手術が開始されます。
手術準備
手術準備

避妊手術の場合、子宮・卵巣を全摘出します。去勢手術の場合、睾丸を摘出します。その他の手術の術式・手順については診察時にご説明いたします。
手術後
手術が終了したら、麻酔機から送られている麻酔薬と笑気ガスの供給を止め、酸素のみを送ります。しばらくして目が覚めてきたら、気管チューブを抜きます。その後、呼吸・循環動態が安定するまではモニター類を装着し、観察を続けます。全身麻酔を行うと体温が下がるため、ヒーターや湯たんぽ、毛布などで保温も行います。その後、入院室へ移動し看護します。
入院室にて
自発呼吸の確認や呼びかけへの反応、バイタルサインの確認、疼痛の有無など確認を継続します。また、犬舎内の空調や保温に気を配り、少しでも快適に過ごせるように注意を払います。麻酔からの覚醒と共に、切開箇所(傷口)などの疼痛が強くなるため、注射や点滴で緩和させます。どうしても、傷口を気にして舐めてしまう犬ちゃん・猫ちゃんが多いので、エリザベスカラーを装着します(これは傷口が完全に塞がり、抜糸が終わるまで装着し続けます)。手術終了(麻酔覚醒)から3時間程度で飲水、6時間程度で食事が可能となります。
翌日
1.朝の検診
健康状態の確認(検温・元気・食欲の有無・排泄の状態など)、傷口の確認・消毒、抗生剤の注射などを行います。疼痛が続くため、それを緩和する注射(または内服薬の投与)を行います。

2.午後の検診
健康状態の確認と合わせて歩行や排泄時の疼痛を観察します。この時点で傷口の状態に問題が無く、疼痛が軽減されていれば退院可能となります。

3.夕方の検診
健康状態の確認、傷口の確認・消毒、抗生剤の注射、疼痛緩和の処置を行います。

食事は、朝夕の1日2回、犬ちゃんは入院室内や屋外運動場・病院周辺などで散歩などの簡単な運動を行います。入院室担当の看護師が犬ちゃん・猫ちゃんのお世話をします。
翌々日
1.朝の検診
健康状態の確認(検温・元気・食欲の有無・排泄の状態など)、傷口の確認・消毒、抗生剤の注射などを行います。疼痛緩和の処置を行います。

2.退院
避妊手術の場合、午後以降退院となります。疼痛が少なく、前日に退院した犬ちゃん・猫ちゃんは、消毒のため、通院していただきます。
検診
傷口の状態や犬ちゃん・猫ちゃんの健康状態を確認するため、退院から3〜5日後に通院していただきます。
抜糸
傷口を縫合していた糸を外すため、通院していただきます。傷口保護のためのエリザベスカラーも装着終了です。以上で、避妊・去勢手術は完了となります。
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