犬や猫の肥満が心配!|獣医師が教える上手な対策方法 - ドクターオザワ動物病院 八王子・町田・入間

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近年、日本の犬や猫の約5割が肥満傾向にあると言われています。「ぽっちゃり=かわいい」と感じることもありますが、実は関節に負担がかかったり、病気のリスクが高まったりすることで、寿命を縮める可能性があります。そのため、「かわいい」だけで済ませず、健康面をしっかり考えることが大切です。

また、肥満は特に室内飼いの犬や猫、去勢・避妊手術を受けた子、高齢の犬や猫、運動が苦手な子によく見られる傾向があります。さらに、運動量が減りがちな冬場は、特に肥満のリスクが高まるため注意が必要です。

今回は犬や猫の肥満について、注意点や対処法などをご紹介します。



■目次
1.こんな症状があったら要注意!
2.肥満による健康リスク
3.獣医師が教える!正しい対策3つ
4.まとめ

こんな症状があったら要注意!

犬や猫の体重は品種や個体によって差が大きいため、「体重が◯kg以上あったら肥満」といった基準はありません。ただし、以下のような症状が見られる場合は、肥満のサインである可能性があります。

・肋骨が触れにくい
・おなかがたるんでいる
・歩く時におなかが揺れる
・以前より運動を嫌がる
・体重が増加傾向
・上から見た時にくびれがない


肥満による健康リスク

肥満になると、以下のような病気を引き起こすリスクがあります。

<関節炎>
体重が増えると関節に大きな負荷がかかるようになります。それにより、軟骨がすり減って、炎症が起こってしまいます。関節炎が起こると痛みを伴うため、運動を嫌がったり、足を挙げたり引きずったりします。

<椎間板ヘルニア>
猫よりも犬に見られることが多い病気です。椎間板は背骨の骨と骨の間にあり、衝撃を和らげるクッションのような役割をしています。肥満になると背骨に大きな負荷がかかり、椎間板が変性して骨の間から飛び出します。すると神経が圧迫され、抱っこされた時に痛みから鳴く、歩くとふらつく、立ち上がれないといったさまざまな神経症状が見られるようになります。

犬の会陰ヘルニアについてはこちらから

<心臓病>
肥満は心臓にも負担をかけます。心臓病になりやすくなるだけでなく、すでに心臓病がある子については症状が悪化する要因にもなるため、注意が必要です。

<呼吸器疾患>
気管の一部が潰れてしまう「気管虚脱」という病気を引き起こしたり、熱中症や喉頭麻痺、短頭種気道症候群などを悪化させる要因になったりすることがあります。

<糖尿病(Ⅱ型)>
肥満はⅡ型糖尿病の発症リスクを高めてしまいます。Ⅱ型糖尿病ではインスリンが分泌されているにもかかわらずうまく機能しないことから、血糖値が下がらなくなってしまいます。

犬と猫の糖尿病についてはこちらから

<腫瘍>
犬では、肥満になると一部の腫瘍(乳腺腫瘍など)について発症リスクが高まることがわかっています。


獣医師が教える!正しい対策3つ

肥満は万病の元であるため、日頃からしっかり対策を行い、肥満にならないように心がけることが大切です。肥満にならないための対策は以下の通りです。

<食事管理>
肥満は摂取カロリーが消費カロリーを上回ることで起こります。そのため、適切な食事管理を行い、摂取カロリーが過剰にならないようにしましょう

犬も猫も、食事の中心は「総合栄養食」です。総合栄養食は、健康を維持するために必要な栄養基準を満たした食事のことを指します。そのため、おやつや一般食、副食などをプラスしてしまうと、カロリーオーバーになってしまう可能性があります。総合栄養食だけを与えるという方法が一番理想的ですが、おやつなどを与えたい場合は、1日の摂取カロリーをオーバーしないよう、総合栄養食の量を減らすなど工夫しましょう。

<適度な運動>
適度な運動を行うことで、消費カロリーを管理することも大切です。特に室内飼育の場合は運動不足に陥りがちなので、意図的に運動量を増やすことが大切です。犬の場合、お散歩の時間や回数を増やす、猫の場合、キャットタワーやキャットウォークを設置するなどを行うと良いでしょう。また、おもちゃを使って運動量を増やす方法もお勧めです。

<定期的な体重管理>
体重を一定に保つことも、肥満を防ぐためには大切です。体重計に乗ってくれない場合は飼い主様が抱っこした状態で体重計に乗り、飼い主様自身の体重を引くことで愛犬や愛猫の体重を測ることができます。また、動物病院で体重測定を行うこともできるため、健康診断も兼ねて、定期的に動物病院を受診しても良いでしょう。


まとめ

人と同じように、犬や猫も肥満になるとさまざまな病気を引き起こしたり、症状を悪化させたりする可能性があります。そのため、小さいうちから適切な食事管理や適度な運動、定期的な体重管理を行うことで、肥満を予防することが大切です。

当院でも肥満に関するご相談を受け付けておりますので、何かあればぜひお気軽にご相談ください。


<参考>
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jpan/24/1/24_46/_pdf/-char/ja


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